借金の肩代わり

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職場で、1時間先に昼の休憩に入るバイトの子が、ドリンクの自販機の前で小銭入れを

まさぐっていました。

その子はこちらに気付くと半分笑顔で

「すいません、細かいのがないから貸してくれませんか」

と言ってきます。

一応「いいよ」と返事をするほんの一瞬、心中で、わずかな躊躇が生まれたのですが

こんなわずかなお金の貸し借りに、何を敏感になっているのか…

相手も普通に小銭を受け取ったし、おそらく顔には出さずに済んだと思いますが

借金は私にとって大きなトラウマになっています。

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実家にいた頃、親はそこまで借金体質ではなかったものの、たまに10万程度のお金が

足りなくなると、私に融通するよう頼んできました。

貸したお金は半分は返ってきたけれど、半分くらいはうやむやになります。

両親は共に私の預金額を知りたがり、教えると「そんなもんしかないのか」のひと言。

その割に弟達の散財には特に文句も言わず、困っている様子のときにはいくらでも

都合してやっていました。

地元にいたらずっとこんな感じになると思ってその後上京し、それなりの苦労しつつも

自由を謳歌していたのに、なんで借金にためらいのない相手と結婚してしまったのか。

今でも不思議でなりません。

もちろん元夫も最初はそんな様子をおくびにも出さなかったのですが…

それまで住んでいたところから遥かに離れた土地で、それまでの友人達とも疎遠になり

逃げ場が無くなってから本性が出てきました。

結婚前に8桁近くあった預金も、借金の肩代わりと、2人分の生活費で削られていきます。

それでも「いつかは目を覚ましてくれるだろう」と思っていたのですが…

それは誤りで、すぐにでも目を覚ますべきなのは自分でした。

人を変えるのはとても難しく、自分を変えるほうがずっと容易いのです。

ともかく借金には関わらない近付かない、それが身内でも本人のだらしなさから来ている

ものなら身内ごと切る、くらいの覚悟がないと、いつか火の粉を被ってしまうのだと思います。

 

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