昨日、仕事中に呼び止められて、振り向くとそこにいたのはT中さん。
悪い予感が的中しました。
眉間に皺を寄せたT中さんは
「あのさあ、祝日の時、地下1階には行かないって、S木さんに言われたのさ。
すごい剣幕で怒られちゃってさ。」
と言いました。
T中さんが怒っているのは、祝日の仕事の内容についてだったようです。
そう言えば水曜か木曜日辺りに、S木さんに祝日の研修はどうだったか聞かれた時に
(もしかしたら同じ祝日でも、何かの条件で地下に1階に入る日と入らない日があるのかも)
と思い、そのことをちょっと話したのです。
そこからS木さんからT中さんに注意が行ったようでした。
「あのね、こっちがやってて違うと思ったことがあったら、その場で言ってくれる?
あとからそういう話になっても困るからさ」
いや、そうは言われても…
T中さんには清掃の職歴が10年以上あるというプライドがあるせいか
ペーペーの私が口を挟むのをとても嫌がる傾向があるのです。
祝日の時も、おかしいと思った時は、その都度T中さんに尋ねていました。
「白いゴミ袋の中には手を入れないって聞いたんですが」
「廊下に置いてあるゴミ袋って勝手に使っていいんですか?」
そしてその度に、少しドスの利いた声で
「いや、これはそれでいいの」
「これは使っていいんだよ」
と、即座に言われ、それ以上何も言えない感じになっていたのです。
言っても言わなくても結局気まずい状態になり、どうしたらいいのか…
しかし、コロナ禍で求人募集をしても応募者がなかなか来ないこの時期に
もしT中さんが機嫌を損ねて「仕事を辞める」と言い出したら、困るのは現場です。
「すみませんでした」
怒っているT中さんに頭を下げながら、悩みの尽きない職場から
すぐにでも逃げたい気持ちになりましたが、それもまた今の状況では許されないのです。