はみだしっ子の思い出~今、再評価される漫画家・三原順さん

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関東に住んでいた頃なら、絶対に行っていた展覧会があります。

「~没後20年展~ 三原順 復活祭」

開催は今月一杯まで。今日を含め、あと2日で終わってしまいます。

中学から高校の多感な時期に一番ハマっていた少女漫画「はみだしっ子」。

20年前、40代の若さで早逝された三原順さんがその作者でした。

政治家の三原じゅん子さんとは別人ですよw

「はみだしっ子」は不幸な境遇の少年4人が恋人(自分達を愛してくれる人)を探してさすらう物語。

胸に突き刺さるような辛いエピソードの多い話です。

しかも三原さんの作品のもう一つの特徴はその難解さで、年端もいかないキャラクター達の口から出てくるのは、とても難しい台詞。

それでも当時の花とゆめ読者は、キャラクターの魅力とその友情のあり方に夢中になり、何度も繰り返し読んで、難しい内容をかみ砕いたものです。
普通の少女漫画ではなかなか扱わないような題材の漫画も多く描いていて、福島の原発事故があった際にはまるで現在の状況を予測したかのような、かつての作品がTwitter上で話題になりました。

そんな風に三原さんは事あるごとに脚光を浴びてきましたが、今年は特に再評価の機運を感じます。

例えば、先月発売されたこの本。

総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子

連載当時、作品を夢中になって読んだ著名人のエッセイや知られざる秘話が満載です。

全作品のリストはいうに及ばず、付録や読者プレゼントの写真入りリスト、没後に特集を組んだ雑誌リストまで網羅されている究極のファンブックといっても過言ではない内容に舌を巻きました。
かく言う私も三十数年前の付録や全員プレゼントの一部を未だに持っています。

 

幾度も引っ越ししたにもかかわらず捨てることができませんでした。

昨今のヒットした少女漫画は比較的ライトな作品が多いと感じるのですが、こうした骨太な作品も読み継がれていってもらいたいものです。

2015年5月30日

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