少し前まで、早朝に家を出ても、昼間のように明るかったのに、今朝は朝焼け。
ただ暑いように見えて、確実に季節は移ろっています。
このパートを始めて、来月で一年。
早いものです。
いつものように病室の掃除をしていると、70代後半とおぼしき男性の患者さんに
「あんた楽そうな仕事してるね」
と言われました。
楽…ですか。
その患者さんのベッドは狭い2人部屋の奥にあり、本来の設備である
床頭台と、テーブルと椅子の他、点滴棒と、患者さんの荷物と、松葉杖に
看護師さんが押してきた金属製のワゴンと、車椅子…
とにかく、物で溢れてギュウギュウです。
この状態で何かを動かして下を掃除するというのは、物理的に無理。
でもこの患者さんの目線で見ると、隙間をチョコチョコ拭いているだけの
楽な仕事に見えるのかもしれません。
「あんた、ここに直で雇われてんの?
それとも下請け?
時給いくら?
1,000円くらいいってんの?」
と、その患者さんは矢継ぎ早に聞いてきます。
「うちに会社は下請けですね、時給は1,000円はいかないです。」
と答えると
「これくらいの仕事なら、俺でも出来るかもしれんな。
ここ来る前に警備の仕事やってたけど、警備は大変で…」
その辺りで掃除が終わったので「では失礼しました〜」と部屋を出てきました。
多分この患者さんが同じ仕事をしたら
翌日から職場に来なくなるパターンだと思います。
ほんの10数分前に、似たような世代の別の男性の患者さんで
「朝から汗だくで大変だね」
と声を掛けてくれた人がいました。
人によって物の見方に差があるのは当然ですが…
汗かいて仕事している最中の他人に、面と向かって
「楽そうな仕事してる」
と言い放てる60代、70代にはなりたくないと思います。
『毎日が発見ネット』の体験談コーナーで、連載中です。
お手隙の際にでもご覧いただけると幸いです。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました