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最後の出勤。
2泊3日の強行軍で札幌と東京を往復し
お見合いを敢行した翌日、3月31日。
今まで勤めていたコールセンターを
去りました。
この忙しい時期に、自分は
何をやっていたのか…
疲れる体を引きずるようにして
出勤しました。
勤め先は、ほとんどが派遣社員で
構成されていたコールセンター。
その半数が首を切られて
クライアントの正社員に
置き換わります。
景気の後退を感じさせる
世知辛い話です。
持ち物の片付けがあるため
早めに職場に行くと
すでに何人かの人が来ていました。
この日までに皆、片付けは
ある程度済ませているけれど…
シフトの都合で週2 、3日しか
来れない人は、最終日に早く来て
片付けているようでした。
その後、しばらくすると
いつもの顔ぶれが出勤してきました。
そして始業時間の少し前になった頃
見知らぬ十数人の女性がやって来て
部屋の出入り口側の壁に
ズラリと並びました。
夕礼の時間、室長さんの他に
クライアント企業の責任者の方もいて
「本日をもってこちらを退職する
〇〇〇の皆さん。
今までありがとうございました。
皆さんのおかげでこちらの部署は
安定した成績を残せました。
4月からはそちらにいる者達が
皆さんの後を引き継ぎ
ここを盛り立てていく予定です」
と挨拶をし、壁際に立っている人達に
視線を向けました。
皆が壁際を見ると
一斉に頭を下げる女性達。
彼女達が、4月から
ここで働くのでしょう。
夕礼が終わると、壁際の人々と
クライアントの責任者さんは
静かにセンターを出て行きました。
仕事そのものは、いつもと
変わりありません。
全く余裕の無い忙しさです。
しかし退職組は、居残り組より
1時間早く仕事の受付を終了し
残りの時間は片付けなどに
あてがわれることになりました。
それならいつもと同じ時間に
出てきても大丈夫だったなと
思いつつ…
さっきまで読み上げていたスクリプトや
覚えきれなかった参考資料など
最後までファイルに入れていた仕事用の
印刷物を取り出して整理しました。
筆記用具も、持参したもの以外は
分別用の段ボールに入れました。
これまで、自分の仕事道具が
入っていた箱を潰して
部屋の隅に置くと、目の前は
私物を入れたビニールバッグだけ。
自分の近くの席の人と少し話した後
離れたところにいる、同期で入った
人達の側に行き、少し会話しました。
最後に知った事。
さすがに最終日となると、皆
行き先が決まっています。
同期は私以外、今と同じ業界に
転職するようです。
皆はスキルも身に付いていたので
そうだろうなと思っていました。
私はもっと難易度の低い職場に
移ります。
職場で常に緊張感が続くのが
きつかったので…
適材適所という感じ。
もっともコールセンターは
どこに行ってもある程度
緊張感があるものだとは思いますが。
職場の半分はまだ仕事中なので
声を控えめにして話していました。
すると同期の1人がより一層声を潜めて
「今はここの半分が辞めるけど
半年経ったら、残りの半分も
辞めさせられるみたいだね」
と…
なんだかんだで結局
派遣は全員切られるようです。
いきなり熟練者がいなくなってしまうと
仕事が立ち行かないので
時間差をつけたようでした。
そして、残りの派遣の人が
いなくなった後は、また
クライアントの正社員の人が
研修を受けて入るらしいです。
SVさんも正社員の人に代わるとか。
センター自体は残るけれども
実質的には総入れ替えです。
週3日しか来てない私は
その辺の話は聞いていませんでした。
あと半年ここに残るベテランの人達は
どんな気持ちで今日仕事していたのか…
そう思うと複雑な気持ちになります。
終業時間が来て、ビルを出る際に
通行証を回収されました。
これで、こことの繋がりは
完全に終わりです。
1年にも満たない短い間。
途中で辞めようと思って
踏み止まったけれど
結果は同じでした。
年度代わりのこの時期、派遣で
働いていれば、さして珍しい事でも
ないかもしれませんが…
バス停に向かいながら
少し寂しさを噛み締めました。
でももう異動先は決まっています。
気持ちを切り替えていかなければ。
札幌の春はこれからなのですし
人生もまだまだ残っているのです。
*『毎日が発見ネット』様の体験記コーナーで連載中。
第1土曜日の夜8時台に更新予定です。
最新版は10月5日に更新されました。
『快テレ君』体験レポートも掲載中です。
ぜひご一読を!
【前編】
【後編】
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。