月水金は、猫に抗がん剤を与える日。
味が濃くて汁の多いキャットフードに混ぜて、食べさせています。
でも、最近薬が入った餌を食べた後は、どうも食欲が落ちるようで…
昨日も昼に薬を使ったら、夜はほとんど餌を食べませんでした。
少しでも太らせるよう動物病院の先生に言われているのに、難しいところです。
相変わらず入院している患者さんが少なめで、普段よりは楽な仕事が続く中
T中さんが、やたらモップや掃除道具のかごを持ってウロウロしています。
どうしたのかと思っていたら、T中さんの方からこちらにやって来て
「本当困った。
掃除が終わらない」
と眉間にしわを寄せながら言いました。
普段は掃除の手が速い、ベテランのT中さんがどうしたのかと思ったら
「当直の先生が、スマホも、財布も、服も、脱いだパンツまで
全部ベッドの上に散らかしてあるのさ。
急患か何かだとは思うけど、あれじゃシーツ交換ができないし
医局の掃除が終わらない。
仕方ないから他のところをやって、キリが付いたら戻ってるけど
ずっとそのまま」
「えっ!?
パンツまで!?」
と私が反応すると、T中さんは首を左右に振って
「パンツはともかく、財布やスマホとか貴重品に触って
後で何かあったら疑われるでしょ?
早く片付けて欲しいけど、時間切れになりそうだったら
仕方ないから私がやるけどさ…」
T中さんは一通り話した後、せかせかと持ち場に戻っていきました。
私は先生が私物を置くようなところは担当していないので
そういう状況は全く想像したことがありませんでしたが…
他の人が休んだら、その人の担当の仕事が出来るように
いずれは全員分の仕事を覚えて欲しいとS木さんに言われています。
いつか同じようなトラブルが自分にも起こるかもしれず、先が思いやられたのと
人の愚痴を聞くことで、負の気分を受け取ってしまって、つい溜息が出たのでした。