表は雪がちらついています。
地面の新しい雪を見ながら、1時間ほど後にはこの上を歩いているのかと思うと
気分が重くなりました。
元々望んだ仕事ではなかったけれど、いつからここまで嫌になってしまったのかは
思い出せません。
時計の針が、出掛けるまでの時間を無情に刻んでいきます。
昨日、各病室を回って、患者さんの1人1人のゴミ箱の中身を回収していると、ある患者さんに
「昨日からごみ箱が失くなってしまったんだけど、看護師さんに聞いてもらえませんか」
と言われました。
患者さんは病状などによって、病室を移ることがよくあります。
その時に運び忘れたのでしょう。
たまたま通りかかった看護師さんにそのことを話すと、その看護師さんは
「わかりました、じゃあ後で見てきます」
と引き受けてくれたのですが、その後続けて
「3階の病室の掃除をする方に伝えて欲しいんですけど…」
と言いました。
あまり良くない予感がしつつも
「あっ、私がこの後やります」
と答えると、看護師さんは若干言いにくそうに
「◯◯◯号室の患者さんが、部屋の隅の方があまり綺麗になっていないから
もっと丁寧にやって欲しいと言われてて…」
と続けました。
ああ…
やっぱりこういう話だった…
午前中は掃除以外にも、回診や検温、点滴や清拭、リハビリやシャワー室のお迎えなど
とにかくいろいろな人が出入りします。
その中で一番優先順位が低いのが清掃なのです。
他の職員さんが入っていない隙を狙って清掃するのですが、ずっと人が出入りして
なかなか掃除できない部屋というのも中にはあって、そういう部屋は
あまり時間が掛けられないこともあります。
たまたま今週は◯◯◯号室がそれに当たった感じです。
昨日はそのまま掃除の時間帯になり、問題の部屋に行くと
できるだけ丁寧にモップをかけてきました。
終業時間が遅くなってしまいますが、こういう時は仕方がありません。
結局昨日も終業時間が他の清掃の人と重なってしまい、ピリピリした空気を味わいました。
家に帰ってからも、やたら手がつったり足がつったりして何も手につかず
日に日に辞めたい気持ちが募ってきます。
しかし求人募集をしてもなかなか人が集まらない職場で、絶対穏便には辞められないのが
分かっているのと、もう簡単に次の仕事が見つかる年齢でもないという自覚とで
何とか踏み止まっている…そんな状態です。