最低気温が、氷点下をちょっとだけ割った本日。
半袖の制服の上にコート1枚だと、身体が冷えました。
それでも半日働いて、帰りは少し暑いくらい。
ノルマを終えた後の足取りは、もたつくけれど軽いのです。
朝、出勤すると、休憩室はもぬけの殻でした。
いつもは守衛さんがテレビを見ていたり、新聞を読んだりしているのですが…
(まあ、そういう日もあるだろう)と、いつものように制服の上に着た
コートだけを脱ぎました。
体温を測り、出勤時間と共に表に記入して、フェイスシールドを装着し
さて仕事です。
薄暗い道具置き場のドアを開けて、自分の道具を取り出していると
長い廊下の遠くから、一つずつ蛍光灯が灯り、低いサンダルのペタペタした足音と共に
2人の人影がこちらに近付いて来ます。
小柄な方の守衛さんと、新しい守衛さんです。
こちらが道具をすべて出し終え、使い捨て手袋をはめ終わった辺りで
すぐ傍にやって来ました。
朝の挨拶を終えると、小柄な守衛さんの方が新しい守衛さんを紹介しました。
「まだ、会うの初めてだったかな?
新しく守衛で入ったO沢さん。」
「O沢です、よろしくお願いします」
「清掃のくるです、よろしくお願いします」
新しい守衛さんの方が先に挨拶を始めてしまったので
大急ぎで自分も頭を下げました。
O沢さんは何と言うか、ごく普通の70代中盤の男性といった感じで
わりと大人しそうな、人当たりが良さそうな雰囲気です。
その後、新人さんは小柄な守衛さんに付き添われ、仕事の説明を受けながら
廊下の角を曲がって行きました。
とりあえず良さそうな人が入ってくれてホッとしましたが…
となると、先日守衛室で監視カメラを見ていた若い人は誰だったのでしょうか。
病院という施設の特性上、建物にいろいろな人が出入りするのは普通なのですが…
たまに不審人物情報みたいな紙が、守衛さんの机の上に置かれていることもあるので
ちょっと不安になったりもするのでした。