思えば、私がどうしても地元に戻って生活する気になれない原因は
母親の実家にもあるかもしれません。
母は6人姉妹の末娘。
それだけ人数がいると、中には結婚生活が上手くいかなかった姉もいます。
離婚したあと一旦は実家に戻って、その後はまた家を出て普通に自立していても
ずっとずーっと、事あるごとに「出戻り」と言われ続けた伯母がいたのを思い出しました。
私が小学生の頃、毎年夏には母親の実家に泊りがけで行ったものです。
実家は海苔を作っていて、大きなすだれのようなものに四角く海藻を貼り付けたものが
ひさしにたくさん立てかけてありました。
それがある年、海水浴から戻ると、出掛ける前にはきちんと立てかけてあったすだれが
滅茶苦茶に倒されています。
そして親戚が怒った様子でそれを片付けていました。
「おまえは風呂に入れ」
と母親に言われて、そのまま風呂場に直行したので、そのあとどうなったのかは
よく覚えていないのですが…
風呂から上がって脱衣所で身体を拭いていると、外から
「あの出戻りが!」
と誰かが吐き捨てるように怒鳴っているのが聞こえてきて怖くなり、すぐに着替えると
台所に行って、椅子の上にいる実家の飼い猫を撫でていたのは記憶にあります。
50年近く経って、もうあんな時代ではないと思うし、世代も変わりました。
でも、自分が出戻りになってしまった今、何のわだかまりもなく親戚たちに溶け込むのは
やっぱり難しい気がするのです。
*『毎日が発見ネット』様の体験記コーナーで連載中。
第1土曜日の夜8時台に更新予定です。
最新版は4月5日に更新されました。

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