昨日は動物病院の通院の日。
猫の手術後の傷の様子を診るのと、取った腫瘍を分析した結果が出る日です。
電源を入れていないコタツに潜っている猫を、できるだけお腹に触らないようにして
引っ張り出すと、ペットキャリーに入れました。
若い頃は猫をキャリーに入れようとすると、脚を突っ張って、突っ張って
身をよじって、よじって…という調子でとにかく苦労したのですが
最近は脚もあまり突っ張らなくなり、なすがままにされています。
少し冷えた午前中の空気の中、病院へ歩いて向かいました。
予約はしてあっても動物病院ではいつも待ち時間があります。
待合室のソファの足元にキャリーを置いて、談笑する他の犬や猫の飼い主の人々の中
無言で順番を待ちました。
15分ほど待ったところで名前を呼ばれ、診察室に入り、猫の様子を聞かれた後
「検査結果が出ましたが、あまり良くないです」
と、おもむろに先生が言いました。
腫瘍はやはり悪性(がん)で、病巣は全て取り切っていましたが
リンパのほうに小さい転移がいくつも見つかりました。
肺などの遠くに転移しないように気を付けていくしかないです。
そう言われて、病理検査報告書を渡されました。
(とうとう、この時が来てしまった…)
もともと悪性の確率は8~9割と言われていたので、ある程度覚悟はしていましたが
もしかしたら1~2割の可能性はないかと、期待する気持ちもゼロではなかったけれど…
ガンが確定してしまいました。
その後、先生が猫を処置室に連れて行き、服のお腹の部分を開いて
手術痕の様子を診て
「浸出液の量が多いので、お腹に充てる物を吸収性の高い物に変えました。
液は多いですが、膿はないので細菌などの感染はしていません」
とのことでした。
抜糸はまだしばらく先になりそうです。
動物病院から帰って、玄関でキャリーから猫を出すと、一目散に走って行って
コタツに潜って出てきませんでした。
私はといえば昼食を摂った後、キャットフードをセットした後
着替えて病院の清掃に出かけました。
正式に辞めていいと会社の方から言われない限りは、出勤しなければなりません。
仕事中は何だか頭がぼんやりして何も考えられず、反射神経だけで動いていました。
大きなミスをしないだけマシといった感じです。
仕事を終え、家路に着く頃になって、猫との生活が長くは続かない実感が湧いてきて
いったん心がざわついた後、身体に通う血がすーっと冷え
感情が無くなっていくような感じに包まれました。