終わりを実感する

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最後の仕事から帰って、一晩経ちました。

寂しいような、少し重かった荷物を床に下ろしたような、何とも言えない気持ちです。

朝からなんだかぼーっとしてしまっているので、とりあえず洗濯だけ終わらせてきました。

 

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昨日、いつもと同じ午前11時前、すでに活気づき始めている厨房に、いつもと変わらず

「おはようございます」

と入りました。

 

普段と同じように手元の準備をして注文の品を作ったり

ときどき皿をサッとすすいで、食器洗浄機に入れたり出したり…

 

そんな作業をしていると、自分がもうここに来なくなるという事実が頭から消え去って

だんだん無心になってきます。

3時間が過ぎる頃にはすっかりいつもの気分になっていました。

 

そこへ厨房のパートの店長さんがみんなに向かって

「くるさんは、本日をもってうちを辞めることになりました。お疲れさまでした」

と声を掛けました。

 

もう昼間のピークは終わる頃だったので、手の空いている人がこちらを振り返る中

「今までありがとうございました」

と言って頭を下げると、職場の皆が明るいトーンで

「お疲れ様でした!」

と返してくれて、嬉しさ半分・寂しさ半分の複雑な気持ちになりました。

 

ロッカールームで着替えた後、店長さんに呼ばれ、制服などを返却したりして

厨房のパートでの仕事を全て終えました。

 

そのあとは感傷に浸る間もなく急いで小売りの職場に移り、着替えて弁当を食べ

勤務時間まで待機。

そういえば昨日は休憩室のテレビは点けていません。

静かな休憩室で、ひたすら時間が来るのを待っていました。

 

その後、3時から出勤の人達と合流して自分の持ち場に着くと、そこからはやはり

いつもと同じ日常が流れ出します。

 

レジを打ったり、折を見て商品を数えたり、補充をしたり、お客さんに声を掛けられて

売り場を案内したり…いつもと変わりません。

 

厨房の方は3時間だけれど、こちらは5時間勤務なので夕方を過ぎると疲れが出てきます。

 

仕事をしながらチラッと時計を見ては、(あと2時間…)(あと1時間…)と

頭の中でカウントをするのも、いつもと同じです。

 

そして終業時間。

8時に帰宅するグループに紛れて着替えました。

 

着替え終わった頃、ときどきレジを挟んで話をする20代のパートの女性が

「今日までですよね?お疲れ様でした」

と声を掛けてくれて、他の8時帰宅組の人たちにも

「新しいところでも頑張ってくださいね」

などと言葉を送られました。

 

いつもレジが横の人以外はほロッカールームでしか会話しないのですが

こうして声を掛けてくれるのは嬉しいものです。

 

その後店長室に行き、制服の返却や書類などを提出しました。

 

(これで全部終わった…)と、いろいろなことにキリが付いてスッキリした気分になり

「今までありがとうございました、失礼します」

と、一礼して部屋を出て行こうとすると、小売りのパートの店長さんがこんな風に言いました。

 

「くるさんは3年近くうちにいてくれたけど、社の方針で何度も振り回して申し訳なかったです。

次の仕事に行っても頑張ってください」

 

それを聞いて、店長さんとしては気を遣ってくれていたのがありがたかったけれど

会社のシステムに自分が上手く当てはまらなかったことへの虚しさとか

やっぱりこの職場を立ち去るしかなかった気がしてなりませんでした。

 

2年8か月…自分としてはそこそこ長い年月です。

 

家に帰ってサッと着替え、居間のクッションの上に疲れた身体を投げ出して

一日にあったことをゆっくり反芻すると、自然に大きな溜息を出てきます。

 

天井を見ながら

(ああ、これで正真正銘の終わりなんだな…)

改めてそう思いました。

 

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最後まで読んで下さって、ありがとうございました



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