年明け以降、入院中の患者さんが日に日に増えてきています。
年末年始には4人部屋に1~2人しかいなかったり、誰もいない病室がいくつもあったのに
今は3人いる部屋が2か所くらいあるだけで、ほとんど満室。
“入ってはいけない部屋”に何人いるのかは分かりませんが…
そうなると、回収するゴミ箱の数も量も増し、ベッド周りに置いてある荷物なども増え
掃除中に「あれ取って」「それやって」と患者さんに頼まれる回数も多くなります。
どうしても忙しくなるのです。
それは私たち清掃だけに限らず、回診で回る先生や体温や血圧を測る看護師さんに
リハビリの人や食事やお茶を配膳する助手さん他、職員全員が多忙になります。
そのぶん皆が病室を回る時間がかかりますが、清掃とゴミの回収は優先順位が低いので
他の職員の人がいない時間を見計らって、大急ぎで済ませなければなりません。
食事と回診の時間は大体いつも決まっているため、出来るだけそこを避けていますが
患者さんも食べるのが遅い人がいたり、具合が悪くて時間をずらす人もいます。
そこは忘れないようにメモをして後回しにし、次の部屋へと回っていきます。
しかし後でもう一度行くと、やっぱりそこを後回しにしていた看護師さんや助手さんが
いろいろ測っていたり、清拭を始めていたりして、また後回しにするうちに
回診の先生が回ってきてしまうという…
そんなこんなで、どんどん時間がかかってしまうのです。
それに現場が殺気立ってくると、一区切りが付いた人が、廊下や配膳室の隅など
目立たないところで、ひそひそと愚痴や誰かへの文句を話すことが増えてきます。
何気に聞き耳を立ててしまって、自分のことらしいと思われるときもたまにあり
ひええ…と縮み上がりつつ、気を付けなければと思ったり…
結局昨日は作業を終えるのが、定時より45分くらい遅くなりました。
ちなみにこういう時に残業代は出ません。
残業代は出さないが、定時より早く終えてしまっても、定時分の時給は出す。
清掃の仕事は大体そういうスタンスのところが多く、ここも例に漏れません。
でも、普段からどうやったって定時に終えるのは難しい職場で、そんなこと言われても…
クタクタになって休憩室に戻ると、Y崎さんがすでにグッタリと座っていました。
「お疲れ様、3階(入院中の)人多い?
2階滅茶苦茶多くて、ほとんど満室でさ、S木さんも悲鳴上げてた」
そんな中、病室は受け持ってない、水回りと職員エリア専門のT中さんは
「お疲れ様でした~」
と優雅に去っていくのでした。