昨日、出勤すると、休憩室の中から男女の口論する声が聞こえてきました。
S木さんと課長さんです。
ドアのノブに手を掛けながら、開けるか開けまいか、一瞬戸惑いましたが
仕事の支度をしなければいけません。
「おはようございますー」
と、努めて淡々と挨拶しながら入りました。
S木さんの方はこちらをチラリと見て
「ああ、おはよう」
と挨拶を返しつつ、そのまま続けて言いました。
「だから違うんだって。
○○に電源を入れたら、○分には隣の方も入れるんだわ」
彼女は何かのマニュアルのようなものを手にしていました。
どうやら2人は守衛の仕事について、解釈の違いがあるようです。
「ちょっとすいませーん」
と、2人の間を割るようにして、部屋の奥に入りました。
ただでさえ3畳間の休憩室。
備品を入れると1.5畳くらいしかスペースがないのに
S木さんが折りたたみいすを持ち込んでいます。
そこが殺気立っているのです。
制服はすでに着込んでいるので、そそくさとジャケットを脱ぎ体温を測っていると
コンコンとドアをノックする音が聞こえてきました。
「おはようございます」
Y崎さんです。
急いで体温を表に書き入れると、フェイスシールドと水筒を持って休憩室を後にしました。
Y崎さんは私服で来ているので、これからあの部屋で着替えなければいけません。
お気の毒に…と思いつつ、早歩きで道具庫まで来て
緊張を解いたのでした。
皆、疲れて殺気立っているのでしょう。
しかし院内の人目に付くところではそんな姿は見せられないので
あの狭い休憩室で感情を露呈するしかないのだと思います。
一日でも早く人手が足りて環境が改善されればと思うけれど、会社の雰囲気を見ると
このままずっと改善されないような気もするのです。
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