パートの職場の電話を切った後、少しインターバルを置いて
心を落ち着けてから、今度は在宅仕事の取引先に電話を掛けました。
「そういうのが一番困るんですよ」
事のあらましを説明し謝罪した後の、相手の最初の言葉です。
「病気が大変なのはお察ししますよ?
でも最初に仕事をお願いしたときに納期に関してだけは厳守というのは
お伝えしましたよね?
こちらですぐ後任を探しますが、こうしたトラブルを起こしたかたに
次回の発注はしないのがウチでの慣例ですから、残念ですけど 御理解いただきたいです」
やっぱり。
清々しいほどに、バッサリいかれました。
電話を切って、画面に残る相手先の電話番号を見ながら
(もう、ここに電話することもないんだ)と思ったけれど、番号をすぐ削除する気にもなれず…
無念なのは、この仕事の場合、納品してナンボなので
倒れる前に1週間かけて作業した未完成の分は、タダ働きになってしまうこと。
それでも病気だろうが何だろうが、仕事に穴を開けたほうが悪いのです。
多分もう、この手の仕事が回ってくることは無いでしょう。
旧知の友人も一人(か、それ以上)縁が切れることになります。
好きな仕事だったので、後ろ髪を引かれるけれど諦めるしかありません。
…これで無職が確定してしまった。
この先どうやって生活していけばいいのか。
身体が元気なら、また職を探して…と気を取り直すこともできるけど
この時点ではまだ自力で頭を起こすこともできず
いつになったら治るのか、入院費はどれくらいかかるのか…
一人きりの病室で溜息をつきながら眺める天井が、ゆらゆらと滲んできました。
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