秋と冬の狭間。
最低気温の時間帯の今、外気温は2.2℃。
冷えて眠れず、ストーブを点けに行ったら
暖まるまでその場を動けませんでした。
昨日は残業。
出勤して体温を測り、体温表に記入しようとファイルを開いたところ
T中さんの欄が、定規を使った線で消されていました。
ああ、そうか…辞めたんだ。
誰に何を聞かなくても、一目瞭然です。
金曜日に休んだ私は、水曜日の仕事上がりに「足が痛い」と聞かされたのが
最後になりました。
これだと、おそらく2度と会うことはないでしょう。
いつもの仕事が終わって残業に移る前の時間、S木さんがこちらにやって来て
「あのね、T中さん、辞めたから。
もううちの仕事は絶対無理なんだって。
うちの会社の別のところに行くか、よその会社に行くかは分からないけど
ここにはもう来ないよ」
と言うのを、やっぱりと思いながら聞きました。
実はT中さんは、前にダブルワークでやっていた別の会社の現場を
完全には辞めていません。
「先方に引き留められたから、人が足りない時には手伝うように
籍だけ残してあるんだ。
S木さんには言ったらダメだよ?
あの人に言ったら、うるさいからね」
先月、そんな話を本人から聞きました。
T中さんは、もしかしたらその現場に復帰しつつ
そちらの会社から、午前中の仕事を紹介してもらう算段なのかもしれません。
そういう面では抜かりのない人です。
そんなことを考えていると、S木さんは続けて
「それで昨日面接した人に、月曜から来てもらうことになったんだ」
今まで何度か面接をしては断ってきたS木さんも、今度ばかりは
そうもいかない様子でした。
「でも、また教育係をやると思うと、気が重いんだわ」
どんな人が来るのか分からないけれど、一番困るのは1〜2ヶ月ほど掛けて
一通り仕事を教えたところで、辞めてしまうこと。
教える側の心が折れてしまいます。
これまで結構そういうことがあったようで、余計に採用を渋って来たのでしょう。
S木さんが先に帰宅した後の残業は、個室の掃除が2件臨時で入り
休憩時間を1時間削ることになりました。
もちろんその分の残業代は無し。
こうなると、まだ顔も見ぬ新人さんが教育期間を終えた頃に
実態が分かり始め、辞めてしまう気がして
なんとも言えない気持ちになります。
私も本音では辞めたくて仕方なくて、T中さんは上手く逃げたと
内心羨ましく思ってしまいます。
新人さんはしばらくの間は戦力外なので、当分の間は
4人体制になったのと変わりません。
冬と共に厳しい季節がやって来たと、諦めるしかないのです。
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