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話は通しておきますが…

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マンションの外周や駐車場の清掃を終え、ゴミ出しを終え、各階の共有部分の

3分の1程度の掃除を終えた頃、管理人のK山さんから携帯に電話がありました。

 

「F田さんが来ているけど、こっちに来れる?」

 

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「わかりました、今行きます」

 

そう返事をして、使っていたモップをエレベーターホールの端に寄せて立て掛け

エレベーターに乗って、そのまま降りました。

 

管理人室に行くと、奥の方からK山さんの

「こっちこっち」

という声がして、休憩室の椅子で談笑するK山さんとF田さんが見えました。

 

私がそちらに行くと、K山さんは

「じゃあ僕は仕事に戻るんで」

と席を立ち、管理人室の方に戻っていきます。

声は管理人室の方にも聞こえるでしょうが、一応私とF田さんの2人きりになりました。

 

「一応話は伺ってますが、◯◯病院の方の仕事を辞めたいということで

間違いはありませんか?」

 

一通りの挨拶をした後の、F田さんの第一声です。

口調は普通でも、(困ったなー)という表情が覗けます。

 

「はい」

と答えると、F田さんは

「あそこはずっと人手が足りなくて、募集もかけているんですが…

次の人が決まるまで残ってもらえませんか」

と言いました。

 

「次の人はいつ決まりますか?」

とこちらが尋ねると

「それは具体的には言えませんが…応募次第になります」

とのこと。

 

「申し訳ないんですが、最近更年期障害が悪化して、関節痛がひどくなったので

ここ(マンション)だけなら続けられると思うんですが、午後や

土曜日にあそこの仕事が入ると、体力的に持たないです」

 

そう話してみると、F田さんは口調の方にも困った感じを滲ませながら

 

「そうですか…

くるさんは家も近いですし、若手なので続けられないかと思っていたんですが…

いまここで期日までははっきりお答えできませんが、一応上の者とも相談して対応します」

 

結局、話はここまでで終わりました。

あまり進展はない気もするのですが『対応します』ということは

いつまでかは分からないけれど、辞めさせてはもらえそうな感じです。

 

即、辞めるのは無理かもしれないとは思っていましたが

できれば今月中、どんなに遅くても今年中には辞められれば…と思っています。

 

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最後まで読んで下さって、ありがとうございました

 

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