仕事から帰り、ご飯を食べてゴロゴロしていると、S木さんから電話がありました。
帰宅後も忙しいと稀に呼び出しがあるので、警戒しつつ電話に出ると、第一声が
「あのさぁ、くるさんはワクチンを受ける?」
でした。
話が飲み込めず、聞き返すと
「あのさぁ病院の方が、うちの従業員もついでにワクチンの注射するかって
言ってきたんだわ。
せっかくだから、やるといいかなと思って」
どうやら、今の勤務先の病院の方から、下請けの清掃員も希望があれば
医療関係者としてコロナワクチンの接種をすると言ってきたらしいのです。
私は50代なので、札幌の場合、ワクチン接種の順番を普通に待っていたら
まだまだ数ヶ月は先になると思われます。
「あの、いつですか?今日ですか?」
S木さんの口調だと、すぐにでも接種するように聞こえます。
既に帰宅して、私服に着替え、ぐんにゃりと休んでいたので慌てて聞き返すと
「いや、まだ予約だけだよ。
今月の◯◯日か、来月の◯日か、どっちかに1回目だよ」
とのこと。
ホッとしたものの、かなり日にちは限られているようです。
「この病院では高齢の入院患者さんも希望があれば、ワクチン接種してくれる」
と、接種を受けた患者さん自身から以前聞いたこともあったし
結構予約が詰まっているのかもしれません。
私個人としてはワクチンの副反応が少し不安な部分もありますが
それ以上に、患者さんに「コロナワクチンの注射した?」と聞かれて
「まだです」と答えるのが、だんだん辛くなってきていたところです。
受けるか受けないかで言えば、受けるの一択しかありません。
「だったら受けます」
と答えると、S木さんの
「T中さんも受けるって言ってるから、日にちは正式に決まったら伝えるわ。
じゃあね〜」
という言葉を残して、電話は切れました。
接種が全然決まってなかったときには、茫洋とした不安があったけれど
決まったら決まったで、痛いのではないかとか、副反応が出た時に
どうするのかなど、より形が定まった不安に変わってきました。
でも状況的に受けない選択肢は無いのです。
多分、何とかなるでしょう。