昨日の朝、少し早目に職場について、ロッカールームで着替えていると
先にいた50代パートさんが話し掛けてきた。
「くるさん、辞めるの？」
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「噂になってるよ」
そう続ける、その人。
部屋に2人きりだから、割と遠慮なく聞いてきたのかもしれない。
「いや、別にそんな…」
辞めるとも辞めないともつかない返事で、お茶を濁してみた。
一瞬、言葉に詰まってしまって、不自然かもしれないけれども
まだ嘘じゃない、現時点では。
だけど、そうか、噂になってるのか…
「やっぱりさあ、歳がいってて資格も取る素振り見せないと
すぐ辞めるだろ、みたいな感じあるっしょ。
私も結構言われたし」
「そうなんだ…」
「私も次を探すの面倒だからここにいるけど
腰やったらすぐ辞めるわ」
制服の袖に腕を通して、ちゃっちゃと前を合わせ
先に部屋を出て行く彼女。
この人に対しては、お菓子を内緒で持ち帰った一件から
少し精神的な距離を置いていたけど
正職員組とパート組との間の空気感とか
いろいろ思うところあったんだろうなあ…と
私もいろいろ思いながら、背中を見送った。
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