昨日、まだ雨が降り出す前の午前中。
4階の仕事を終えて3階に下りると、ちょうどT中さんが階段を
上がって来るところに出くわしました。
T中さんの表情は険しく、眉間には皺が寄っています。
階段を上りきったところで、T中さんはこちらに話しかけてきました。
「あのさ、S木さん、残業の変更のことで私の事何か言ってなかった?」
先日、守衛さんの1人がが検査入院で、S木さんと課長さんが急遽
警備の仕事をすることになり、その皺寄せで全員休日や残業が変更になって
先週、急に私が残業が入ったりしたのです。
その時のことかと思い
「T中さんには用事があって断られたって言ってたよ」
と答えると、T中さんの眉間の皺が深くなって
「あの人、私が残業の日のこと忘れてたみたいに言ってたと思うけど
私が忘れてたんじゃなくて、あの人が残業の日付間違えたんだからね」
と怒り出しました。
確かにS木さんには
「T中さんに頼んであったはずなんだけど、あの人忘れてて
用事があるって断ってきたのさ」
と言われていました。
「あれから何回かそのことで話をして、日にちを書いたメモも見せて
向こうの勘違いだってわかったのね。
でもその件で他の人に私が忘れたって言ったのは訂正しないで、そのままなのさ。
もう、本当頭来ちゃって」
T中さんはそのまま道具カゴを持ち直すと
「ごめんね、忙しい時に。
でもなんか、誰かに言いたくて仕方なくてさ」
と言い残し、3階廊下を左に曲がって行きました。
何というか、T中さんの気持ちは分かります。
仕事にプライドがある人なので…
ただ、その一方で、S木さんが普通の60代の契約社員では考えられないくらい
たくさんの仕事と責任を背負っているのも知っています。
だからこの件に直接関係ない他の清掃パートや守衛さんにまで
訂正して回るのは無理な感じなのです。
元々T中さんとS木さんの仲が上手くいっていたら、これくらいのことで
遺恨が残るようなことはないのかもしれませんが…
この1年余りの年月で、どちらかが一方的に良い人だ悪い人だというのはなくて
相性が合わないだけだと思うのです。
私は両方の話が入ってくる立場なので、いろいろ難しいのですが…
中立の立場を守りながら、波風が立たないようにしていくくらいしか
出来ることはない気がします。
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