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掛けられない電話

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仕事が減れば、まだここに勤め続けても良いかもしれない。

 

そんな事を考えた昨日でしたが…

今朝になったら、そんな考えは吹っ飛んでしまいました。

朝イチで、もう肩が痛いのです。

 

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「肩に負担がかかるので、右手で重い物を持たないようにしてください」

 

と理学療法士さんに言われても、洗剤と道具が大量に入ったカゴを持つか

モップ2種類とパンパンに入った黒い45ℓゴミ袋を、片手で一度に持つかの2択。

モップ等の方がやや軽いけれど、握力はこちらの方が必要なのです。

 

両手に荷物を持ちながら、誰もいない廊下を無言のまま移動していると

辞めたい気持ちが膨らんでいきます。

 

いつも通り、仕事を一通り終えた頃には、肩関節の内側の筋が

引っ張られるように痛くなっていました。

 

後片付けを終えて休憩室に戻ると、先に戻っていたのはY崎さんだけでした。

守衛さんの椅子に座って、スポーツドリンクを飲んでいます。

 

これまで職場で肩のことを話したのは、古株の守衛さんくらいでしたが

この時は、痛みが強かったので、つい、世間話のような感覚で

五十肩になったことや、別の整形外科に行ってリハビリしていることなどを

Y崎さんに話してしまいました。

 

「もうちょっと重い病名だったら、辞めさせてくださいって言ったけど

五十肩じゃ、ちょっとね…」

 

と私が言うと、Y崎さんの返事はこうでした。

 

「でも、放っておくとすごく痛いって言うでしょ。

辞めさせてくださいって、言ってみたら。

S木さんに言い難いなら、課長に電話越しで言えば、言い易いと思うよ」

 

課長さんに、電話で…

 

それは今まで思いつきませんでした。

 

いや、本来なら、こういう進退に関しての話は課長さんにするべきなのですが

うちの職場に限っては、S木さんが女帝のような存在だったので

考えが及ばなかったのです。

 

しかし、そうなると職場の中で、私が辞めたがっていると知るのは

S木さんが最後になります。

普段一番世話になっているのに、それだと怒りを買ってしまうのでは…

 

結局今日は勇気が出せず、課長さんに電話はしませんでした。

 

だけど、心の中にモヤモヤが残って、どうしたらいいのか

今もずっと迷い続けているのです。

 

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最後まで読んで下さって、ありがとうございました

 

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